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試合シーンは正真正銘のガチンコ対決! リュ・スンボムさんインタビュー!
“韓流”ブームを超え、今やすっかり日本でも定着した感のある韓国映画。その勢いは、見かけない日はないといってもいいほど。その多くが純愛を中心とした恋愛ものであるのに対し、4月15日から公開される映画『クライング・フィスト』は、ボクシングの試合を軸に、運命の勝負へと引き寄せられていく2人の男の人生を描いた骨太の作品だ。

物語は2人の実在の人物をモデルにして展開する。1人は過去の栄光をひきずる中年ボクサー。もう1人はすさんだ日々を送る若者だ。この2人が運命に導かれるかのようにリングの上で拳をぶつけあうまでに至る過程で、自分にとって大切なものは何か、その答えが浮き彫りになってくる。

そんな本作で、荒くれ者で新人の10代ボクサー、サンファン役を演じたリュ・スンボムさんに、撮影中のエピソードや映画の見どころを語ってもらった。
リュ・スンボムさん
リュ・スンボム
1980年8月9日生まれ。韓国生まれ。本作の監督でもあるリュ・スンワン氏の実弟。代表作に『アラハン』など。ほかに映画、ドラマ、ミュージックビデオ、CMなど、多岐にわたって活躍中。
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トレーニングに5〜6か月を費やす
リュ・スンボムさん
午前中の取材ということもあり、少々眠たそうな表情で姿を現したリュ・スンボムさん。でも、取材がはじまるとメガネをかけ、丁寧に答えてくれました。

まるで2つのドキュメンタリー作品を見ているように、主人公の2人は、クライマックスのボクシングシーンがはじまるまで、何の接点もないという一風変わった構成。これは対照的な2人の人生そのものを、パラレルな視点でとらえてほしいという製作チームの意図だろう。たった一度、7メートル四方の白いリング上で拳を交えるための制作準備は、一体、どのようなものだったのだろう。

「撮影自体は2〜3か月程度かかりました。だけどボクシングのシーンに備えるためのトレーニングはもっと長くて、5〜6か月はかかりましたね」

監督は実兄のリュ・スンワン氏。サンファンを演じるにあたって、リクエストされたことは?

「実在の人間がモデルということで、ドラマチックに演じるように言われました。モデルになったソ・チョルさんのことは、テレビで彼自身のドキュメンタリーを見たことがあったので、それをもとにしてインスパイアされました。準備期間のときも実際に会うことはなかったのですが、韓国で試写会があったとき、初めて本人にお会いしたんです。もっとも、彼はK−1のコリアンリーグの有名選手なので、テレビではよく見ていましたけれど」

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見る人にとって希望を与えるメッセージを送りたかった
作品のなかで、スンボムさん演じるサンファンは、まわりの人間を寄せつけない“手負いの獣”のような雰囲気を身にまとっている。この役柄を演じる上で、ポイントを置いた部分は何だったのだろうか。

「一番大切にしたのは、見る人にとって希望を与えるメッセージを送りたかったということです。そして“家族”の意味。特に、人生に疲れた人への励ましになるようにと思って演じました」

カツアゲやけんかに明け暮れるサンファンは、ついに刑務所に収監されてしまう。そこでボクシングと出会うことになるのだが、撮影は本物の少年院を使って行われた。

「実際の少年院の第一印象は、暗くて寂しい、閉鎖的な所。そのなかで俳優として、多くのインスピレーションを得ることができました」
リュ・スンボムさん
『アラハン』など、映画では強くてちょっとコミカルな印象だが、素顔のスンボムさんは実直なイメージ。
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韓国映画史上初めてとなる少年院での撮影
リュ・スンボムさん
実際の少年院で撮影するなど、随所にこだわりが感じられる本作は、2005年のカンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞した。

少年院での撮影は、韓国映画史上初めての出来事で、粘り強い交渉の末、得られた撮影期間はわずか3日間というタイトなものだった。モデルになったソ・チョルさんが実際に収監され、生活していた場所での撮影は貴重な経験になったという。

「例えば、日のひかり。少年院は本当に薄暗く、ひかりが入りにくいように作られているんです。私はそこで、偶然ひとすじのひかりが差す場所を見つけました。そのひかりを見ているうちに、自分についていろいろな思いをめぐらせました。作品のなかで、サンファンが細いひかりの筋を眺めるシーンがあるのですが、あれは実際にあの場所へ行ってからできあがった演出です」

作中のキーワードとして“家族”という要素が大きなテーマになっているが、スンボムさん自身、両親を早くに亡くしている経験を持つ。スンボムさんにとって、家族とは、どのような存在なのだろうか。

「私のなかで家族というのは、生きていく上でもっとも力になってくれるものですね。どんなときでも自分の味方でいてくれる存在だと思います」

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企画・編集:キッチュ
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